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DX担当者の皆様へ

ブロックチェーンを活用した課題の解決

デジタル社会基盤の共通プラットフォームとして注目を集めているブロックチェーン。企業間の取引等、マニュアル作業に頼ってきた業務をデジタル化・自動化することで、業務効率を向上させることができます。このページではブロックチェーンを活用したシステムの実用化に向けた基礎知識をご紹介します。

目次
01 DXにおけるブロックチェーンの位置づけ
02 ブロックチェーンとは?
03 業界ごとのユースケース
04 Why Corda ?
05 Cordaとは?
06 実用化に向けたロードマップ

01 DXにおけるブロックチェーンの位置づけ

202012月に経済産業省が発行したDXレポートにおいて、デジタル社会基盤としての共通プラットフォームの重要性が指摘されています。あまり知られていませんが、ブロックチェーンはこの共通プラットフォームを支える技術基盤となります。

ブロックチェーンは、「複数の企業間で、一つの正しい情報を共有する技術」と位置付けられます。BtoBの世界でこの技術を活用すると、企業間の取引や契約のように、全く同じ情報を持ち合う場面に適用ができます。

現在、紙の契約書を正副で持ち合っている状況を想像して下さい。ブロックチェーン後の世界では、この契約書の情報がデータとしてやり取りされます。また判子の代わりに電子署名が使われます。これにより、紙の契約書と同じように改ざんできない仕組みを、デジタルの世界でも構築できます。つまり、これまでマニュアル作業に頼ってきた真実を記録する業務をデジタルの世界だけで完結できるようになるのです。

>>さらに詳しく

02 ブロックチェーンとは?

さて、なぜブロックチェーン(もしくは分散型台帳)は必要なのでしょう?例えば、既存技術の集中型台帳でも、複数の企業が使える共通データベースを構築することができます。しかし、この場合、次の課題が発生します。

  • データを管理するサービス事業者が、データの中身を参照できてしまう
  • データ規制国では、日本の集中型サービスでデータを一元管理できない
  • データと共にリスクも集中化されてしまう
  • 単一障害点となってしまう


結果、業界全体でのコストを押し上げ、そのしわ寄せがサービスや商品に転嫁されています。ブロックチェーンを活用した分散型台帳であれば、上記課題を解決し、
社会コストの削減に貢献できます。

集中型台帳とブロックチェーンの違い

03 業界ごとのユースケース

キャピタルマーケット
金融市場においては、権利移転の実態と帳簿上の記録との間に乖離が発生しないよう、マニュアルでの照合作業に依存する業務が多く残っています。ブロックチェーンを使い、証券をデジタル・アセット化を実現することで、発行、引受、プライマリー/セカンダリー取引といったライフサイクル全体を自動化できます。また将来的にCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)が実現されれば、権利移転と決済をデジタル上で完結するDvP決済も可能となります。

貿易金融
貿易分野においては、輸入者、輸出者、銀行、船会社といった複数のプレイヤー間で、膨大な書類がやり取りされています。貿易書類には強固な真正性・原本性が求められるため、単純なデータ化では適応できません。ブロックチェーンを使えば、紙ではなくデータの形式でも「原本」を表現でき、プレイヤー間で持ち合うことが出来るようになります。その結果、数週間かかっていた貿易書類の処理を1日で完了することが可能となります。

サプライチェーン(商流、物流)
製造業のように複数の企業がサプライチェーンを構成する業界においては、需給の急激な変化や顧客ニーズの多様化に対し、柔軟に対応できるレジリエンスが求められています。しかし現状は、手作業による書類のやり取りが未だに健在であり、レジリエンスに必要な情報が迅速に得られません。ブロックチェーンを使うことで、各プレイヤーは商流や物流に係る情報をリアルタイムに連携するプラットフォームを構築することが出来ます。

保険
保険業界では、情報が生命線です。引受、保険料設定、請求支払といったあらゆる保険業務には、正確でタイムリーな情報が必要です。そのため、保険会社では情報を独自に囲い込むことで競争優位を築いてきました。その結果、会社毎のサイロ化が進み、業界全体では同じ目的で重複した作業が多く残っています。ブロックチェーンを使った非競争領域におけるデータ共有により、保険業界全体のデータ管理が効率化できる可能性があります。

>>金融業界における活用事例   >>サプライチェーンにおける活用事例

 

04 Why Corda ?

数あるブロックチェーン基盤のうち、なぜCordaが選ばれているのでしょうか?

1に企業間取引を想定して設計・実装されている点が挙げられます。企業が求めるプライバシー要件を満たすため、データ共有範囲を最小限に留めた相対取引を実装できます。

2にハイパフォーマンスが挙げられます。CordaUTXOモデルを採用しており、トランザクションを同時並行で高速処理します。

最後に開発生産性です。Cordaは幅広く使われているJAVARDB(リレーショナル・データベース)を採用していますので、技術者の確保が容易です。

(その他にも、Cordaで開発されたアプリ(Cordapp)は他のCordappとデータの交換が容易という特徴があります。そのため、自社のCordappと他社のCordappサービス接続し、拡張することができます。)

>>Cordaの技術的優位性  >>ブロックチェーン活用の課題の乗り越え方

05 Cordaとは?

Cordaとは米R3が金融機関の企業間取引の複雑さの問題を解決するために、スクラッチで開発したソフトウェアです。システムの階層ではミドルウェアに該当し、アプリケーションとOSの仲介をします。ソフトウェアベンダーやSIはCorda上で動くアプリケーション(CorDappsと呼びます)を開発します。CorDappsを開発することで、次の要件を実装できます。

1.企業間で仲介者を介さない情報共有。
企業の取引情報を関係のない第三者に公開する必要がなくなり、漏洩リスクを減少できます。

2.企業間で同一の情報を共有。
企業間のデータの整合性作業が削減できます。メールを基に社内システムに取引情報を入力する場合、誤記入のリスクと手間がかかります。

3.取引データ自体に証明書や証券の役割を付与。
付随業務の手間の削減ができます。例えば、売掛債権を銀行に売って資金調達(ファクタリング)をする場合、その取引に関わる書類が複数必要でした。しかし、Corda上のシステムでは、取引データを銀行に共有するだけでファクタリングが容易に可能となります。
(トップ>ホワイトペーパーのBancoプラットフォーム参考)

4.モノの所有権を電子的に移動。
証券や不動産の質入れ、サプライチェーンにおけるモノの所在地や在庫の管理が楽になります。ブロックチェーンの対改竄性の性質により、唯一無二の電子記録移転権利として記録されます。

5.銀行や他のシステムと接続し、取引完了と同時に自動支払や自動執行を実施。
取引完了と同時に人手を介さずに付随業務を自動で執行可能です。例えば、倉庫管理において、倉庫からの出荷と同時に原料を調達するといった自動化ができます。また、取引完了と同時に即時決済することも選択でき、取引先の信用リスクを排除することができます。

>>開発者向け技術概要   >>ブロックチェーンCordaとは?(ビジネス編)

06 実用化に向けたロードマップ

ブロックチェーンを使ったDXの実用化は、下記ステップで進めます。

STEP1 デジタル化が遅れている業務の洗い出しと分析

例えば紙やPDF等、マニュアル作業の受発注業務を対象に、課題を特定、デジタル化によるメリットを検討します。取引先やお客様との間で発生している課題であれば、ブロックチェーンによるDX対象と考えることが出来ます。

STEP2 “協調領域の見極め

STEP1で特定した課題は、取引先やお客様も同様に課題認識している可能性が高いです。この点をヒアリングします。もし取引先やお客様も同様に感じているのであれば、これを協調領域として見極めます。

STEP3 定量分析による費用対効果の算出

これまでの個社によるIT投資評価の考え(3年で黒字化など)では、ブロックチェーンを使ったDX企画は立ち上がりません。個社ではなく、企業横断でDXを実現した状況を想定して効果を算出します。

STEP4 実証実験と対外発表

実証実験は、短期(2,3か月程度)かつアジャイル方式で開発します。可能であれば、1社以上のパートナー企業(取引先やお客様)を巻き込み、実取引に近い環境を再現します。実証実験後は、プレスリリースを通じて社内外への認知を図ります。

STEP5 本格開発

実証実験の結果、提供価値が認められれば、本格開発へと移行します。このタイミングでパートナー企業を巻き込んだ共同事業にするアイデアも検討します。本格開発も、短期間(例えば6か月程度)で段階リリースする手法が推奨されます。

STEP6 実用化

商用利用当初は、親密先である取引先やお客様との利用に限定することで、リスクを最小化します。その後、イベントでの発表などマーケティング活動を通じて、ネットワーク効果が働く閾値までユーザーの巻き込みを図ります。

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上記に加えてさらにCordaの情報収集をしたい方はこちらのブログもご参照ください。

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